【iPad】iPadOSとは何か?新機能からみるiPhone iOS13との違い - WWDC2019
WWDC2019のざっくりまとめ、iPadOS編です。
今までは、
2019年秋からは、
と、
iOSをベースに派生したiPad独自のOSとして、名称が区別されます。
ここでは、
「iPadOSでは、どんな新機能が追加されたのか?」
iOS13との違いという観点から、チェックして行きます。
【iPadOS 対応機種一覧】
- iPad Pro 12.9インチ(第3世代):2018年 A12X Bionic USB-C(現行品)
- iPad Pro 12.9インチ(第2世代):2017年 A10X Fusion
- iPad Pro 12.9インチ(第1世代):2015年 A9X
- iPad Pro 11インチ:2018年 A12X Bionic USB-C(現行品)
- iPad Pro 10.5インチ:2017年 A10X Fusion
- iPad Pro 9.7インチ:2016年 A9X
- iPad(第6世代):2018年 A10 Fusion 9.7インチ(現行品)
- iPad(第5世代):2017年 A9 9.7インチ
- iPad mini(第5世代):2019年 A12 7.9インチ(現行品)
- iPad mini 4:2015年 A8 7.9インチ ※Apple Pencil 非対応
- iPad Air(第3世代):2019年 A12 10.5インチ(現行品)
- iPad Air 2: 2014年 A8X 9.7インチ ※Apple Pencil 非対応
※A8以降のチップが搭載されているiPadであれば対応しているようですね。
- 1.Slide Over機能の強化
- 2.同一アプリを複数のウィンドウで開く
- 3.新しいホーム画面
- 4.Apple Pencil
- 5.Sidecar
- 6.Floating Keyboard
- 7.Files
- 8.Safari
- まとめ
1.Slide Over機能の強化
- Slide Overで、複数のアプリを待機させておき、スワイプで切り替えることが可能に。
Slide Overとは、iPadの画面上に、iPhoneくらいのサイズのウィンドウをフローティングで表示することができる機能。
※Split Viewで、2画面にしている場合は、3画面目として使うことができます。
分かりやすい用途としては、メッセージングアプリなどで使うと便利ですね。
常駐して表示させておくのではなく、
必要な時だけ、画面端からのスワイプでサッと表示させ、
使い終わったら、サッと閉じてしまう、といった使い方。
体験としては、iPadでの作業中に、iPhoneを手にとって使うような感覚ですかね。
今までのiPad版のiOS12では、一つのSlide Overまでしか対応していませんでしたが、
iPadOSからは、複数のアプリを待機されておき、切り替えることが可能になりました。
画面の底部をスワイプすることでアプリの切り替え、
底部からスワイプアップすることで、マルチタスクウィンドウを表示することが出来ます。
ちょうど、iPhoneのアプリ切り替えと同じような操作感になるかと思います。
2.同一アプリを複数のウィンドウで開く
- 同じアプリを、複数のウィンドウで開くことが可能に。
Split Viewで、画面の左側と右側に、同じアプリの別々のウィンドウを表示させることが出来るようになりました。
これは、僕がずーーーっと切望していた機能なんです。
たとえば、画面左側でメモ1を参照しながら、右側のメモ2に清書したい時とかですね。
余談ですが、今までこれが出来なかったために、
Dynalistなどでは、1つはアプリで開いて、
もう一つはSafariからWebアプリとして開くことで、
無理やり同一アプリを2画面にしたりしていました。。
(苦肉の策というやつです。。)
Notabilityというアプリ(Apple Pencilで手書きメモを取るときに愛用)では、
先行して実装されていて、アプリ内で2画面表示出来るのです。(イケてる!)
さらに、画面スペースを切り替えることで、3つでも4つでもいくらでも同一アプリを別ウィンドウで開くことができます。(Split Viewじゃなく全画面表示でもOK)
作業の生産効率が上がりますね。
Dockに置かれているアプリであれば、アイコンをタップすることで、そのアプリで開かれているすべてのウィンドウを確認することができます。
とにかく、待望の機能です。ありがとうApple!
3.新しいホーム画面
iPadOSでは、アプリアイコンの間隔が狭くなり、
ホーム画面にウィジェットを固定表示出来るようになりました。
正直、僕はあまりウィジェットを活用してなかったのですが、
(帯に短し襷に長し、と言いますか、結局ふつうにアプリを開いた方が十分な情報量が得られて手っ取り早い、というか。。)
ホーム画面に常駐表示しておくことで、どう使い勝手が変わって来るのか、模索してみたいですね。
ちなみに、Androidを使っていたときは、天気や、カレンダー、頻繁に見返したいメモなどを置いたりしておりましたね。
4.Apple Pencil
- 今までのレイテンシー20msから、9msにまで短くなった。
レイテンシーとは、応答速度のことで、
ペンで画面上に書く動作と、画面上に描画が反映されるまでの時間がどのくらい遅延するか、ということです。
9msですから、なんと0.009秒。
遅延がほぼゼロに近づいていますので、どのくらいまで「紙に書く体験に近づいているか」、早く試してみたいですね。
- 画面全体のスクリーンショット
Apple Pencilで、画面の左下(または右下)からドラッグすることで、スクリーンショットの撮影が可能に。
画面全体ですから、スクロールできる範囲全てです。
ドキュメント、email、ウェブページなどで利用し、ペンでマーキングしたりすると便利ですね。
- PencilKit API
これは、iPadOSの機能というわけではありませんが、開発者側が「コードを3行追加するだけでApple Pencilに対応出来る」ということで、Apple Pencil対応のアプリが増えてくれそうなことに期待が持てますね。
5.Sidecar
Sidecarとは、
「 iPadを、macのセカンドディスプレイとして使うことができる。」
という機能です。
バイクのサイドカーのように、macと繋がって並走してくれるイメージで、この名前が付けられたのかも知れませんね。
Sidecarにおける、 iPadの使い方は、大きく分けて2つ。
・macとは別のコンテンツを表示する。(2画面目として使う)
macの2画面目として使う場合の例としては、
mac上でプレゼン資料を作成しながら、iPadで実際の見え方をプレビュー
したりなどです。
Final Cut ProやDavinci Resolveなどの動画編集ソフトでも、タイムラインなどの作業用パネルと、プレビュー画面を分けて2画面にすることで、それぞれ広々と使えますね。
もちろんその他にも、macを2画面にすることで作業効率が上がったり、より便利になることなら何でもOKです。
ミラーリングでは、
macとiPadで同じコンテンツを表示することで、
Macの画面を他の人に見せたいときや、
Apple Pencilでリアルタイムに書き込みたいときに便利になります。
Adobe Illustratorなどのアプリで、
mac上で行う作業と、Apple Pencilを使った作業を並行して行うことが出来ます。
iPadで描いたものをmac上のドキュメントに取り込みたいとき、
シームレスに作業を行うことができますね。
※macとiPad間の接続方法は、有線接続でもワイヤレス接続(10メートル以内)でもOKです。
6.Floating Keyboard
- ソフトウェアキーボードをピンチ操作で縮小し、好きな場所に移動することが出来る。
ウィンドウスペースを広く確保したいときに良いですね。
7.Files
- Filesがネスト階層表示に。(Column View)
macOSのFinderのような表示になりました。
8.Safari
- Desktop-class browsing
今までは、例えばGoogleスプレッドシートなどをWebサイトで表示しようとしても、自動的にアプリへと飛ばされてしまっていたのですが、
iPadOSでは、デスクトップ表示のままwebアプリとして使えるということですね。
App Storeからインストールするアプリには、iOS(あるいはiPadOS)版の最適化が追いついていないものもあり、ブラウザ上でそのままwebアプリを使えるのは、劇的な改善ですね。
なお、Safariには、30以上のキーボードショートカットも追加されるようです。
まとめ
iPadOSで追加された新機能の中から、
iOS13には無いiPadOS独自の機能、iOS13との違いについて紹介させて頂きました。
逆に言うと、主にここで紹介した以外の機能は、iOS13でも対応しているのですよね。
WWDC2019のKeynoteでは、iPadOSの枠で紹介されたiOS13の機能もあったため、iPhoneでは出来ないことだと勘違いしてしまっている人もいるかも知れません。
(僕がまさにそうだったので。。)
例えば、ダウンロードマネージャーや、外付けストレージ対応、ゲームコントローラー対応、コピー&ペーストのジェスチャーなどは、iPhoneでも使える機能なんですよね。。
つまり、今回のiPadOSは、iPad独自のOSになった、と位置づけるのは時期尚早で、
やはりベースはiOS13なのです。
従来よりmacに近づいたように感じるアップデートではありますが、
iPadではタッチ、macではマウス(またはトラックパッド)クリックという操作で、分けられているように、
やはり、気軽に持ち運び、手にとって使えるというモバイル性をどこまで重視するかで、macに対するiPadの優位性が見えて来ますね。
また、今年の3月に、
iPad mini(第5世代)、iPad Air(第3世代)が発売となったことを機に、
現行品のすべてのiPadがApple Pencilに対応となりました。
このことから、
という線引きが、より明確になりました。
裏を返して考えると、
Apple Pencilが使えるiPadが、iOSから切り離されiPadOSとなったことで、
iPhoneがApple Pencil対応となる未来は当分やって来ない、ということを示唆されている気がします。
前回の記事、iOS13編はコチラでまとめてます↓